最近、働き方改革の一環として労働時間を短縮するためにRPAの導入を検討している会社も増えているのではないでしょうか。
しかし、導入しても問題を抱えている会社も多いようです。
RPAを導入したのになかなか効果が見えてこないな~
ライセンス費用や開発・保守費用ばかりかかってしまうのよね〜
このような声を耳にすることもありますが、
実は対象業務の選定を誤っていることが原因として考えられます。
ポイントは目先の業務をロボット化するのではなく、全体でバランスを取りながらRPA化すべき業務や工程を切り出すこと!
今回は導入前に不可欠なRPA業務の選定ポイントを解説します!
RPAの得意と苦手を理解しよう!
RPAってどんな業務も自動化できるものじゃないの?
そんな力があればいいけど、僕にも得意分野と苦手分野があるんだよ...
RPAに何でもさせようとすると、開発や保守に時間がとられて
「自動化しないほうが楽だった...」というオチになりかねません。以下ではRPAに向いている業務と向いていない業務をご説明します。
RPAが得意な作業
その1. 手順やフォーマットが決められている作業
RPAの得意分野は、手順が決まっているルーチン作業です。
例えば、Excelを開いてデータの入力をして保存する、という作業を自動化すると人間よりはるかに速いスピードで作業をしてくれます。
また、Excelなどのファイルを扱うときはフォーマットが確定していることもポイントです。
同じ作業なのに、集計で使うExcelのフォーマットがバラバラな時は、開発前に統一させておくと、 一気に効果のボリュームを出すことができるよ!
その2. 複数のツールやシステムを横断した作業
2つ目の得意としている作業は、複数のアプリケーションを横断した作業です。
例えば、「メールで受信したExcelファイルを開き、社内システムに転記する」作業。
この例では、①メールソフト、②Excelファイル、③社内システムの3つを横断した
作業を自動化することになります。
「社内システム」だけで作業が完結する場合は、そのシステムを再開発すれば業務を自動化できるケースもあります。しかし、複数のアプリケーションを横断する場合はそうはいかないですよね。ここぞ、RPAの出番なのです。
どのアプリケーションを連携させられるかは、利用するRPAによりますが、ExcelやACCESSなど、マイクロソフトオフィスのアプリケーションには対応しているものが多いです。
その3. 大量のデータを扱う作業
RPAは大量のデータを高速で処理することが得意です。
大量のデータ収集やデータ分析は人間が行うとかなりの時間がかかり、ミスも発生しやすいですが、データの収集作業はロボットに任せることで、人間はよりクリエイティブな仕事に専念することができます。
RPAの苦手な業務
その1. その都度人間の判断を要する業務
RPAはAIではないので、学習して判断することが現時点ではできません。
命令した処理については高速かつ正確に処理することができますが
命令されていないことは判断できないのでエラーハンドリングをつけるなどの工夫が必要です。
その2. ルールが変わりやすかったり複雑すぎる業務
あまりにも複雑な処理やルールが変わりやすい業務を自動化すると、
保守が難しくなり結果的に負の財産になってしまう可能性があります。
複雑な業務はすべてを一度に自動化するのではなく、一部を自動化してみるなど工夫が必要になります。
その3. 物理的な作業が必要な業務
ロボットはPC上で動くので、物理的な作業ができません。例えば、実際の書類を扱う作業については、データで業務を代替できないか業務の見直しも必要になります。
RPA業務の選定基準とは
ここまでRPAの得意・不得意についてご説明しました。
実際にRPAを導入することになれば、これらを踏まえて効果の出る業務の優先順位をつけることが大切です。続いて、導入効果をあげる業務の選定基準について見ていきましょう!
現行業務を調査しよう
RPA導入を検討している業務についてプロセスを分解し一覧を作成しましょう。
毎日忙しい中で、ルーティン化した業務を見直すことは中々できないですよね。
RPA導入は既存の業務を見直す良い機会となります。
無駄な作業をRPAで自動化しても効果は期待できませんよね。
現行業務を調査するときにとても役に立つECRSの原則というものがあります。業務に対して「なくせないか、一緒にできないか、順番などを変えれないか、簡素化できないか」を検討するためのテンプレートを具体例とともに解説しているので、是非参考にしてください。
現状の作業を全てRPAに任せるのではなく、業務を見直すことで不要な作業を見つけて整理することがとても大切なんだ
確かに先輩から引き継がれたまま毎月作業してたけど、もっとシンプルな方法があるかもしれないよね
RPAの適合性を評価しよう
RPA導入を検討している業務について、下記のチェックポイントを確認しましょう。
- 業務手順書・マニュアルが整備されていること
- 業務が複雑すぎず、ルールが決まっていること
- 使用しているシステムがRPAで操作可能なこと
RPAの開発前に、ユーザーから業務についてヒアリングを行いますが、 事前に業務のマニュアルが整備されていると短時間で効果的なヒアリングを行うことができます。
また、開発着手後に「実はRPAで操作ができないシステムを使っていた、、」なんてことがないように、対象システムを事前に検証をしておくことも重要です。
導入効果を試算しよう
最後に、適合性が高い業務についてRPAを導入した場合の効果を試算してみましょう。
ここでは、効果指標を、効率化、業務品質、繁忙期の負荷軽減度合で算出しています。 導入時の参考にしてみてください。
- 効率化
RPA導入前の作業時間とRPA導入後の作業時間を見積り、どの程度効率化が期待できるかを「効率化」欄に記入します。ここでは、導入前後の時間を引算で算出しています。
- 業務品質
手作業から自動化に代わることによる業務品質向上度合を5点満点で記入しています。
人間がミスしやすい業務をロボットに任せることができれば価値は高まりますよね。
- 繁忙期の負荷軽減
「自動化することで繁忙期に人を増やさずに済む」という点を5点満点で評価ポイントにしています。人件費に直結する部分なので自動化の価値も高まります。
今回の例では、上記3つを掛け合わせて導入効果としています。
導入効果の設定については、RPA導入の目的に合わせて設定しよう!
まとめ
RPAで早く効果をあげるためにはちょっとした戦略が必要です。
まずはRPAの得意分野を知り、業務を定量的に評価することで、開発の優先順位をつけることが大切です。
闇雲にRPAを導入せず、しっかりとした計画と準備が必要なんだね!
その通り!目指せ100ロボット!!
RPAのはじめかた ツールを見ながら巡る!RPAの楽しい世界 [ カワサキタカシ ]
|
RPAツールの1つとして有名なUiPathの無料インストール方法については
下記記事をぜひ参考にしてください!