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RPA初級者におすすめ!『RPAの威力』のレビュー

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こんにちは、ウイルです!

今回は本のレビューとして『RPAの威力』を紹介させていただきます。

本書との出会い

私は現在RPAエンジニアとして働いています。

主な仕事内容としては

・自動化したい業務についてヒアリング

ヒアリングをもとに設計書を作成

・ロボット開発

・運用、保守

といった具合です。

 

最近は導入や経営面についても興味が出てきて、他の企業がどのようにRPAを活用しているのか知りたいと思うようになりました。

 

ネットの情報では、導入に関する詳細や経営者目線の情報がそこまで多くなかったので、何か良い書籍がないか探していたところ見つけたのが本書でした。

この本をおすすめしたい人

✓RPAとは何か?何ができるのかを知りたい人

✓RPAの導入を検討しているけれど、どのように進めればよいか悩んでいる人

✓ロボットに仕事を奪われるのではないかと不安を感じている人

本の概要

それでは、本書についてご紹介させていただきます!

始めに、著者のプロフィールと概要についてまとめました。

著者のプロフィール

著者:安部 慶喜   

アビームコンサルティング 執行役員

製造業、卸売業、サービス業、運輸業、銀行、保険、エネルギー業界など、各種業界向けに、経営戦略立案、制度・業務改革、組織改革、ERP導入、法制度対応、成功報酬型コストリダクション、新規事業支援等、幅広い領域でコンサルティング業務に従事。

RPAサービス全体責任者として、多数の企業へのRPA導入を実現。

 

共著:金弘 潤一郎   

アビームコンサルティング 戦略ビジネスユニットディレクター

「アビーム」という社名には「Asian Beam(アジアの光線・力)」という意味を持たせており、「アジア初・アジア発のグローバルコンサルティングファームとして、力強くあり続けること」への決意を表すとしている。

 

戦略からIT戦略、BPR、システム導入、アウトソーシングまで一貫したサービスを提供する総合コンサルティングファームである。

 

欧米流のグローバルスタンダードを単に当てはめていくのではなく、日本企業の意思を尊重しつつ、現地の価値観(文化や慣習)を重視した日本流のコンサルティングスタイルをとることが特徴。

                  【本書 著者紹介】【Wikipedia】より引用

 

著者について調べていたところ、「あれ?この人見たことあるぞ?」と思って

よくよく思い出してみると、何度か打ち合わせでご一緒になったことがありました笑

 

RPA導入時はコンサルティング会社を活用しているケースも多いようですね。

どのようにコンサルをするのかを知ることで、ユーザーとの会話の幅も広がると思うので、しっかりと学んでいきたいです。

本の構成

本書の構成とおススメポイントを紹介させていただきます。

 

第1章:RPAの本質

   >>なぜRPAが求められているのか

第2章:進め方と成功のポイント

   >>RPAを導入する際の注意点と対応策

第3章:先進8社の取り組み

   >>各社の導入の狙いと効果について

第4章:RPAの将来像

     >>ロボットがどのように進化して、人間はどうなっていくのか。

 

◆本書のおススメポイント◆
1. 文字が大きくグラフを使った解説が多いため読みやすい
2. RPAとは何か、AIとの違い等についても紹介しており、ビジネス書としても有効
3. 具体的事例を多数紹介しており、ネットにはない情報も得ることができる

気になるポイント

私は開発者としてRPAに携わり約1年ほど経ちますが、新たな発見も多くありました。

特に気になったポイントを紹介させていただきます。 

真の働き方改革とは

働き方改革が注目されていますが、多くの企業はどのような改革を行っているのでしょうか。

創造的な業務に使う時間が一番大切だというのに、「残業を減らせ」という大号令のもと、手っ取り早く「創造的な時間を減らして日常業務の作業時間を確保している状態」は間違っているといえよう。

 

働き方改革において残業時間を減らすことは確かに大切ですが、減らす時間が「日常業務」ではなくて「創造的な時間」であれば、本末転倒です。

 

だからと言って従業員にもっとスピードを上げるよう指示しても実際は難しいですし、スピードを上げればミスが増えることになります。

 

RPAは「日常業務」を減らすことを得意としています。

本来の目的である「日常業務」を減らして「創造的な時間」を産み出すことを忘れずに仕事をしなければと感じました。

ブラックボックスになっていた業務を見える化できる

RPAのデメリットの一つは「人間がやっていた処理をロボットが代行することにより、その処理ができる人間がいなくなってしまうこと」だと感じていました。

 

しかし見方を変えると、どのデータを使ってどのようなプロセスで作業を実行するのかを見直すきっかけになるとも言えます。

 

また、きちんとした業務の仕様書を作成しておくことで、特定の社員のみが業務の中身を理解している状態が無くなります。

 

ロボットを作ることで業務をブラックボックス化させるのではなく、きちんとした仕様書を作成して、業務の継続性を担保することもRPAエンジニアにとっては大切な仕事であると改めて感じました。

RPAでできるかもしれないという発想が思考回路に

RPAに携わるようになり、「これは自動化できそう」と感じることが多くなりました。

開発者としては当然かもしれませんが、これは言い換えると「自動化できるかどうか」という発想が思考回路に組み込まれたということなのかもしれません。

 

以前まで金融機関で営業をしていた私からすると考えられない発想です。

 

今の現場ではIT部門ではない営業の方や、事務サポートの方からも「これ自動化できませんか?」という要望を多くいただくようになりました。

 

企業がRPAを導入したことで、社員に自動化の発想を与えることに成功していると思いますし、その発想を持つ社員が増えれば間違いなく働き方改革の一端を担うことができると思いました。

本を読んで変わったこと

最後に、この本を読んで自身が変わったことについてご紹介させていただきます。

自動化することだけを目的にしてはいけない

RPAの開発者として日々ロボットを作成していますが、企業目線ユーザー目線で仕事をしなければと改めて感じました。

 

「RPAを導入したけれど、全然効果がなかった。」「思っていたものと違った。」という書き込みを見ることもありますが、もしかしたらその企業に合ったRPAツールではなかったのかもしれません。

 

または、そのロボットの作りが悪いだけだったのかもしれません。

 

ユーザーの意図をしっかりと汲み取って、業務に一番合ったロボットを作れるようにまだまだ頑張ろうと思いました(  ・`д・´)

最後に

エンジニア目線の感想が多くなってしまいましたが、RPAについて知らない方や導入を検討している方にもとてもわかりやすい内容になっているのでぜひ読んでみてください!

また、続編として「RPAの真髄」があるのでこちらも読んでみたいと思います。

RPAエンジニアに興味のある方は過去に記事を書いたのでこちらもぜひ参考にしてみてください!

it-rpa.hatenablog.com