はじめに
こんにちは、ウイルです!
今回は経済学を学ぶ上で最も重要なグラフの読み方について学習します。
学習については、「経済入門塾シリーズ」で有名な石川秀樹先生の
「速習ミクロ経済学」「速習マクロ経済学」というテキストを使用しています。
こちらはYoutubeでもテキストにそって石川先生の講義を受けることができるので、より詳しく学習したい方はぜひ見てみてください!
グラフとは
経済学では数式を扱うことはありますが、できるだけ数式を使わずに説明するためにグラフを中心とした理解が必要となります。
経済学ではグラフが命と言われるくらい重要なので、改めてグラフについて学習したいと思います٩( ᐛ )و
表とグラフ
このようにりんごの個数と価格の表があるとします。
こちらをグラフにするとこのような直線のグラフとなります。
グラフというのは、ある量とある量の関係を表したものです。
このある量とある量の関係のことを関数と呼びます。
つまりこのグラフはりんごの個数と価格の関数であると言うことができます。
消費関数とは消費量と何かの数の関係のことです。
経済学では所得と関係があると考えられているため、消費量と所得の関係が消費関数であると言えます。
消費関数と聞くと難しく感じるかもしれませんが、要するに所得が増えると消費量が増えるといった関係のことだと言えます。
ここまでのグラフの読み方については当たり前のように感じますが、グラフが読めない場合はこの当たり前がわかっていないということが結構あるようです。
グラフを読む5つのステップ
グラフをしっかりと理解するために5つのステップがあります。
この手順で理解することがとても重要なので確実に抑えておきましょう。
ここでは需要と供給のグラフを例に説明していきます。
このグラフについては中学や高校で何度も目にすることがありました。
なぜこのグラフがよく使われるのかというと、
経済学者が「経済学の中でもっとも重要なグラフを1つ選んでください」
と言われた時にこのグラフが選ばれたからだそうです。
それくらい重要なグラフです。
経済学を学習する上ではこのグラフを知っているだけではいけません。
なぜ需要と供給の交点で価格が決まるのか、それが経済学的にどのような意味を持っているのかを理解する必要があります。
上記このことを念頭に置いて学習を進めていきたいと思います。
それでは5つのステップを順番に見てみましょう。
ステップ1:縦軸と横軸を確認する
まずは縦軸と横軸が何かを確認しましょう。
需要と供給曲線は横軸が量、縦軸が価格のグラフです。
ステップ2:曲線が何と何の関係なのかを確認する
需要曲線
需要曲線に注目してみましょう。
需要は英語でDemandなので、Dと表します。
以下のグラフはりんごの価格と個数のグラフとします。
縦軸が価格で横軸が個数の関係になっていますが、
需要量とはある価格のもとで買いたい量のことです。
このグラフの場合は、
価格が300円だと1個買いたい
価格が200円だと2個買いたい
価格が100円だと3個買いたい
と言った感じです。
つまり、需要曲線とは需要量と価格の関係の曲線であるということができます。
ステップ3:曲線が表す関係はどのような関係なのか理解する
ステップ3は曲線が表す関係がどのような関係かを理解します。
もう一度需要曲線に注目してみます。
曲線は右下がりになっていますね。
つまり、値段が下がると需要量は増えるという関係になっていることがわかります。
ここまでがグラフからわかることです。
ステップ4:どうして手順3の関係になるのかを考える
ステップ3では需要曲線は値段が下がると需要量が増えるという関係を読み取ることができました。
ステップ4では、どうして値段が下がると需要量が増えるのか?を考えます。
これはグラフからはわかりません。
グラフからわかることはステップ3までです。
ステップ4については元々知識があるか、経済の理論を理解していなければわかりません。
今回は経験的に価格が下がればお買い得になるので買いたい量が増えるということがわかりますね。
供給曲線
ここで供給曲線についても考えてみましょう。
供給は英語でSupplyなのでSで表します。
供給とはある価格のもとで売りたい量のことです。
供給曲線は供給量と価格の関係です。
右上がりの曲線となっているので、価格が増えると供給量も増えていることがわかります。
経験的には価格が上がれば、企業は利益が増えるのでたくさん作るということがわかりますね。
ステップ5:グラフからわかることを理解する
需要曲線と供給曲線についてステップ1からステップ4まで考えました。
最後に考えることはなぜこの2つのグラフを同じグラフ内に描いたか?ということです。
結論から言うと同じグラフ内に描くことによって何かわかることがあるからです。
上記のグラフの場合、なぜ交点Eの30円で価格が決まるのでしょうか。
以下で理由を解説します。
まず価格が50円の場合を考えてみます。
【価格が50円の場合】
需要曲線に注目すると、価格が50円の時に買いたい量は20個となります。
供給曲線に注目すると、価格が50円の時に売りたい量は60個になっていますね。
40個の差分が出ています。
この差分40個は超過供給と呼ばれています。
要するに売れ残りのことですね。
売れ残りがあると売れ残りが無くなるまで値段は下がっていきます。
このグラフでいうと値段が30円の時です。
次に価格が10円の場合を考えてみましょう。
【価格が10円の場合】
供給曲線に注目すると、価格が10円の時に売りたい量は20個となります。
需要曲線に注目すると、価格が10円の時に買いたい量は60個となります。
先ほどと逆で、需要量が多くなっています。
これを超過需要と呼びます。要するに物不足です。
このような場合は売り手は強気になり、値段はどんどん上がっていきます。
今年、マスクが不足した時に値段がどんどん上がっていったことを思い出すと経験的に理解ができますね。
どこまで上がるかというと物不足が解消されるまでです。
今回のグラフで言うと値段が30円まで上がると超過需要は解消されています。
はじめの問いに戻ります。
なぜ交点Eの30円で価格が決まるのか?
経済学では「交点が30円だから」と直接説明はしません。
30円より値段が高いと売れ残りが発生して値段が下がるので30円になり、
30円より値段が低いと物不足が発生して値段が上がるので30円になる
だらか30円に決まると説明します。
なぜ30円になるか直接説明することは難しいです。
そこで、30円じゃない場合を考えて結果的に30円になることを説明します。
これは経済学でよく使われる説明方法です。
これで価格が交点の30円に決まる理由がわかりましたが、もう1点重要なポイントがあります。
「それになんの意味があるのか?」ということです。
買いたい量と売りたい量が一致する点で価格が決まることがわかりました。
つまり、
「買いたい人はみんな買うことができる」
「売りたい人は全部売ることができる」
ということです。みんなが幸せな状態ですね。
このように価格が動くことによって、
どのような市場でも需要と供給が一致してみんなが満足できる状態になれるということがわかります。
ひとこと
需要と供給曲線については、今後もっと学習したいと感じるようになりました^ ^
今回のグラフを読むステップは今後経済学を学ぶ上でとても重要になると思うので、時間がかかってもしっかり理解しておきたいです。
経済学は理系的な要素が多いですが、文系科目として扱われています。
「文系の方は抽象的な議論よりも具体例から本質を探るというアプローチが得意な場合が多い」と石川教授がおっしゃっていましたが、これは大いに納得できました。
数式やグラフが出てきて、わからないと感じた時は今回のように具体例を入れて考える癖をつけようと思います٩( ᐛ )و