はじめに
今回はミクロ経済学とは何かについて学びたいと思います。
ミクロ経済学やマクロ経済学という言葉は聞いたことがある方も多いと思いますが、実際にどのようなことを学ぶのか説明できる方は少ないのではないでしょうか?
私は経済学部出身ですが、正直なところしっかりとした説明ができる自信がありませんでした。
しかし、経済学を学ぶことが大切だということだけはずっと心の片隅に残ったままです。
社会人を5年ほど経験した今、改めて学びなおしたいと思い、現在に至ります。
ミクロ経済学については、「速習ミクロ経済学」「心と体にすーっとしみこむミクロ経済学」という本を使って学習しています。
本書の中でミクロ経済学を学ぶ意義について印象に残った説明を紹介させていただきます。
経済学者にも政治家にも公務員にもなるつもりのない大多数の人たち、そして、ミクロ経済学を勉強するのはこれが最初で最後になるかもしれない人たちにとって、ミクロ経済学を学ぶことの意義とはいったい何なのか。
一言でいえば、ミクロ経済学を学ぶことの意義とは、今のあなたを変えることです。
ミクロ経済学を学ぶことで、あなたは今よりももっとチャーミングでタフな人になれます。なぜならミクロ経済学は、あなたが今まで知らなかったものの見方や考え方、人の行動を全部同じように統一的に理解する方法を教えてくれるからです。
そして、ミクロ経済学を学ぶことで、あなたは今よりももっと、人に優しくできる思慮深い人になれます。なぜならミクロ経済学はほかの人と自分とがどのように違っていてどのように同じなのかを想像する力を与えてくれるからです。
ミクロ経済学は、あなたのこれからの人生を豊かにするためのものなのです。
引用:「心と体にすーっとしみこむミクロ経済学」
お家時間が増えた今、何か新しいことをはじめてみたいけど、何をすればよいかわからないという方も多いと思います。
ぜひこの機会に経済学を学んでみてくださいᕦ(ò_óˇ)ᕤ
経済問題とは
ミクロ経済学を理解する上で、経済学とは何か、経済問題とは何かについて知ることは
避けて通ることができません。
経済の問題を突き詰めると「経済の基本問題」に行き着きます。
経済の基本問題とは、
「何をどれだけ、どのような方法で、誰のために生産するのか」
という問題であると言うことができます。
なぜ経済の基本問題は生じるのでしょうか?
それは「無限の欲望があるのに対して、その欲望を満たすための資源が限られているから」です。
これを資源の相対的希少性と呼びます。
資源とは経済学では生産要素のことです。
生産要素には「資本・労働・土地」の3つあります。
資本は機械、労働は人手、土地は天然資源や不動産であるということができますが、
これらの生産要素で欲求を満たすための商品を作っています。
そしてこの商品で人々は欲求を満たしています。
(ミクロ経済学では単純化するために生産要素は資本と労働しかないと考えています。)
しかし、全ての人の欲求を満たすことはできません。
だからこそ、「限りある資源を何のために誰のためにどんな方法で」という経済の基本問題が出てきます。
欲求に比べて資源がたくさんあれば経済の問題は起こりません。
例えば、空気は人々が吸いたいという欲求よりも空気がたくさんあるため、基本的には経済の問題は起こりません。(空気汚染などの問題はありますが)
経済の問題を解決するためにどのような方法があるのでしょうか?
市場経済
市場経済という言葉は何度も聞いたことがあると思います。
文字通り、経済の基本問題の解決を市場に任せるということです。
市場経済では「買いたい人は買って売りたい人は売る」
つまり、自発的な取引であると言えます。
市場に任せると何がいいのでしょうか?
市場では以下のような構造が生まれます。
◆欲求が大きい→需要量が大きい→価格が高い→供給量が多い→資源をたくさん使う
◆欲求が小さい→需用量が小さい→価格が低い→供給量が少ない→資源を少し使う
ポイントは価格をシグナルとして上手く人々の欲求に対応しているということです。
普段当たり前のように買い物をしていますが、これって結構すごいことですよね。
値段や生産量はみんなの欲求に対応して自然と決まってくると考えるとなんだか不思議な気持ちになります。
このように市場経済では経済問題は市場の価格調整で解決されます。
そのため、政府の役割は国防・警察・必要最低限の行政に限るべきで、経済問題には介入すべきではないとされています。
・小さな政府
・夜警国家
・自由放任主義
これらの言葉は中学や高校の社会の授業でも習いましたが、意味することは同じで、「 経済問題は市場に任せて政府は余計なことはするな」ということです。
計画経済
市場経済の他に経済問題を解決する方法として計画経済があります。
これは市場経済とは反対で、「経済問題を計画的に国が解決しよう」というものです。
社会主義の国は計画経済を採用していますが、国家予算だけでなく、経済全体を国が管理することとなります。
車は何台生産して、価格はいくらにして、、ということを国が決めるということですね。
これは確かにうまくいく気がしません。
社会人になって、いろいろな企業を見るとより一層感じることですが、市場経済ではみんなが必死になります。
なぜなら、売れるものを作らないと会社が潰れてしまうからです。
計画経済は国や公務員が優秀かどうかという議論の前に、そもそも経済全体を一部の人が管理するということ自体が無理なのかもしれません。
混合経済
市場経済でも、労働者の待遇が悪いなどの問題は発生します。
小さな政府と言っても、ある程度は経済問題に介入して貧富の格差を埋めるなどの必要性が出てきました。
日本でいうところの年金や健康保険などですね。
このように経済に民間部門と公的部門が混在することを混合経済と呼びます。
今の市場経済の国はほとんどが混合経済を採用しています。
ミクロ経済学の全体像
経済学についての説明をしてきましたが、ミクロ経済は何を学ぶのでしょうか?
ミクロ経済学では個々の企業や家計の行動、ある財・サービスの市場を分析します。
ミクロには小さいとか細かいという意味があり、
ある企業の生産量の決定
ある家計の消費量の決定
ぶどう市場の需要と供給
などについて分析します。
ミクロ経済学で最も重要なグラフは需要と供給のグラフです。
以前需要と供給のグラフについての記事を書いているのでこちらも参考にしてみてください。
ミクロ経済学ではどのようなことを学ぶかについて説明しましたが、より具体的な学習は以下の流れになります。
詳細については今後学習しますが、一旦大まかな流れを抑えておきましょう。
◆需要曲線を導き出す
まずは右下がりの曲線である需要曲線について学びます。
ポイントは家計の行動です。(家計とは消費者のこと)
↓
◆供給曲線を導き出す
次に右上がりの曲線である供給曲線について学びます。
ポイントは完全競争企業の行動です。
↓
◆需要と供給の交点
次に需要と供給の交点で価格が決まることについて深く学びます。
↓
◆不完全競争市場
需要と供給の交点で価格が決まらないようなケースについても考えます。
例えば独占などがこれに当たります。
↓
◆望ましい経済とは何か
望ましい経済とは何かについて、効率的・公平的観点から学習します。
↓
◆余剰分析
「市場に任せたら効率がいいけどそうじゃない場合もある」
ということについて学びます。
↓
◆貿易
貿易をするとどういう利益があるのか、どういう不利益があるのかについて学びます。
上記の流れで今後学習を進めていきたいと思います_φ(・_・
今はまだわからないことがたくさんあると思いますが、ゆっくりと着実に理解を深めていきたいと思います。
ひとこと
今回は以上です!
ミクロ経済学について、少し理解が深まりましたか?
公務員試験や、中小企業診断士の試験科目にもミクロ経済学は含まれています。
苦手意識を持っている方も多くいるかもしれませんが、学ぶ意義を考えることで楽しく学習することができるかもしれません^ ^
私は現在IT企業で働いており、日々IT技術に関する学習も欠かすことはできませんが、IT技術は移り変わりが激しく、10年前の技術などは無くなっていたり、陳腐化してしまうこともあります。
経済学は10年前の参考書を読んでも本質は変わっておらず、一生使える知識だと感じます。
「すぐに手に入るものはすぐに失ってしまう」
経済学はすぐには身につかないかもしれないですが、決して失うことのない知識になると信じてまだまだ学習を進めていきたいと思います!