Happy Halloween!!🎃
今日はハロウィンなので「お菓子な経済学」というテーマで学びます。
普段食べているチョコレートやケーキにも経済学は深く関係しています。
今回はお菓子と経済学を通して、身近な問題から世界平和まで考えます_φ( ̄ー ̄ )
お菓子を食べながらぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです🍰
経済学的なお菓子とは?
低糖質ブーム
ケーキ屋さんに行ったり、コンビニに行くと低糖質ケーキや低糖質チョコレートがかなり増えたことに気がつくと思います。
この砂糖を使っていないケーキやチョコレートが実は経済学的なんです。
製品差別化
近年チョコレート市場の推移は健康志向ブーム、低糖質ブームと共に右肩上がりとなっています。
お菓子業界のトレンドになっている健康志向商品にはある共通点があります。
低糖質ケーキ
低糖質チョコレート
低糖質ショコラ
などなど、これらの商品は実は全て価格が高くなっています。
見た目は同じでも、通常のお菓子よりも低糖質で健康的という付加価値をつけることで競争が少ない状態にしているのです。
「やっぱりこれじゃないとダメだ」というお客さんを集めて独占力をつけることで、価格設定を高くすることができます。
さらに低糖質という付加価値をつけることで、もともとチョコレートが好きだった人だけでなく今までチョコレートを食べなかった人もターゲットにすることができます。
糖質を抑えた分だけ売り上げは上がっているそうです。
面白い関係ですね。
普通のお菓子は価格競争に陥りやすく、売り手からすると儲けが少なくなる傾向があります。
低糖質チョコレートのように売り手が健康志向などの付加価値をつけて新しい機能や特性をつけることでほかの製品と差別化し、消費者を獲得することを経済学では製品差別化と言います。
価格が高くても買ってしまうのは製品差別化がされているからだと言うことができます。
世界の貧困とチョコレートの関係
買い手独占
チョコレートの原産地はどこの国が多いかご存知でしょうか?
世界のチョコレート原産地トップ5は以下のようになっています。
1位 コートジボワール
2位 ガーナ
3位 インドネシシア
4位 ナイジェリア
5位 カメルーン
なんとなくイメージ通りかもしれませんね。
チョコレートの元となるカカオの生産者の多くは低収入で小規模な家族経営の農家であり、カカオ農家の貧困は世界的な課題になっています。
どうしてこんなにもチョコレートが売れているのに貧困問題が発生するのでしょうか?
それは仲買人の買い手独占によりカカオが高く売れなくなっていることに原因があります。
詳しく説明します。
カカオの買い手がたくさんいると高く買ってくれる人に売ることができますね。
しかし、買い手が少ないと価格に関係なく、その買い手に売るしかなくなってしまいます。
この状況は買い手独占と呼ばれており、売り手の交渉力が非常に低い状態になることで高く売ることができなくなってしまうのです。
それではどうして買い手独占が起こるのでしょうか?
一番の原因は「貧しい」ということにあります。
豊かであれば、自分で作ったカカオを自分でトラックに積んで市場に持っていき、一番高く買ってくれる人に売ることができます。
しかし、カカオ農家の多くは貧困のためトラックを持っていません。
カカオ豆は何トンにもなるのでも背負って運ぶこともできず、村まで買い付けに来てくれる仲買人に頼るしかないのです。
たくさんの仲買人がいれば良いですが、村に来る仲買人が1人しかいなければ恐らく低い価格で取引がされることとなります。
児童労働も深刻な問題となっています。
原産地トップのコートジボワールでは約120万人の子どもがカカオ農園で働いています。
さらにカカオ農家の子ども(5~14歳)の約30パーセントは一度も学校に通ったことがないと言われています。
生産者も幸せにするチョコレート
どうすれば消費者だけでなく生産者も幸せになれるのでしょうか?
この問題解決に取り組んでいる都内のチョコレート屋さんについて紹介します。
*こちらがお店のHPです
このお店では自分たちでカカオ豆にこだわり、仕入れ・製造・販売までを一貫して行なっているそうです。
また、中間業者を飛ばして直接カカオ豆農家から仕入れをすることで、生産者に多くお金が入るようにしています。
生産者の行動を変えるワークショップ
このチョコレート屋さんが取り組んでいることは直接カカオ豆農家から仕入れをするだけではありません。
チョコレートの元になるカカオ豆はハイチ産やベトナム産など様々な種類の豆があり、豆の違いで味は全く異なるそうです。
また、豆を収穫した後の発酵の仕方や乾燥の仕方でも味は大きく変化します。
実は、先ほど紹介したカカオ農家の方々はチョコレートを食べたことがない人が多いそうです。
そのため、自分たちが作っている豆がどのような味になるか知らずに生産をしている状態です。
豆の違いや発酵・乾燥の違いで味が大きく変化することを理解してもらうために、このお店では現地の人向けにチョコレートを作るワークショップを開いているそうです。
ワークショップを通して実際にチョコレートを作ることで、「自分達の作っているものがおいしいチョコレートになるか」ということに興味を持つ人が増えました。
そして、発酵や乾燥をしっかりとやってもらえれば高く買い取ることを伝えます。
カカオ農家の方々にとっては、おいしい豆を作ることで通常よりも高い対価をもらうことができるというインセンティブが働きます。
自分が何を作っているかを理解する
↓
自分の作った豆がおいしくなるか興味を持つ
↓
おいしい豆を作りたいと思う
↓
おいしい豆は高い価格で取引される
この活動は生産者の幸せにも繋がりますね。
高品質のカカオ豆を作ることは製品差別化となり、買い手独占を防ぐ突破口にもなります。
情報が貧困を減らす
カカオ農家の貧困を減らすためにはスマホも有効です。
ポイントは情報です。
ある経済学者の研究では携帯電話が普及すると所得が高まるという結果が出ています。
情報が直接所得に繋がるというのはこのご時世では痛感しますね。
情報があれば、どこの市場にカカオを持ち込めば高く売れるかをすぐに調べることができ、結果として所得が上がります。
・情報を流通させる仕組みづくり
・情報を使えるように子どもたちを教育する
この2つが課題となりそうです。
経済学でダイエット
ピグー税
話は変わりますが、経済学ではダイエットをすることができます。
どういうことかわかりますか?
ポイントは税金です。
肥満の原因と考えられるものに税金をかけるのです。
そんなユニークな税金、、、実はもうすでに導入されている国があります。
西ヨーロッパで最も肥満が多い国であるイギリス。
イギリス政府は2018年に140万人いる2歳~15歳までの肥満児童を、2030年までに半減させる計画を発表しました。
そして、糖分が多いジュースへの課税を行う砂糖税を導入しています。
ちなみに税収は子ども向け健康プログラムの財源にあてられるそうです。
他にもメキシコやアメリカの一部地域ではソーダ税が導入されており、砂糖入り飲料に対して課税が行われています。
砂糖を扱うメーカーも税金を意識して作らざるを得ませんね。
チョコレートやケーキはご褒美などで食べるので、日常的ではないと判断されて税金はかからず、ジュースは日常的なものだから税金の対象となっているそうです。
線引きが面白いですね。
このように税金には人の行動を変える目的で導入される税金があります。
経済学ではこれをピグー税と言います。
他のピグー税の例としてはロンドンの渋滞税があります。
これは平日の7時から18時までに課金区域内で運転するドライバーは1日11.5ポンド(約1600円)支払うというものです。
渋滞税を導入することで、車で都心に行くと課税されるという意識が芽生えるため、
バスや地下鉄を使う人が増えたそうです。
普通は税金というのは人の行動に影響を与えないものが良いとされています。
所得税がすごく高かったら働くことが嫌だという人が増えてしまいますよね。
ピグー税は人の行動を変えることで社会をより良くすることが目的です。
このようなユニークでスマートな解決方法を模索する経済学はやはり面白いですね。
最後に
今日はハロウィンということで「お菓子な経済学」というテーマで学びました。
確かにコンビニで低糖質のチョコレートは良く見るなぁと思っていたのですが、
やはりそれなりの理由があるということがわかりました。
経済学を学ぶことで色々な問題を解決する方法を知ることができますが、
大切なことは問題意識を持つということだと改めて感じました。
そして問題意識を持つために「なぜ?」と問いかける必要があります。
普段チョコレートを食べているだけでは、カカオ農家の貧困問題まで意識を向けることは中々できません。
「なぜ低糖質チョコレートが流行っているのか。」
「チョコレートの原産地はどこが多いのか。」
「なぜ原産地は貧困地域が多いのか。」
ぜひそんなことを考えながら今日はお菓子を食べてみてください!
結構疲れるかもしれませんが。。笑
今回は以上です!
最後まで読んでいただきありがとうございました^ ^