予備知識
会社設立
会社を設立するためには、まず会社のルールを定めた定款を作成して、会社を運営に必要な資金の出資を募ります。
次に取締役などの機関を配置して最後に登記することで設立が完了します。
設立登記
登記しなければいけない主な内容は、
①商号、本店・支店の所在地、目的、資本金の額
②発行可能株式総数、発行済株式総数、発行する株式の内容
③代表取締役/代表執行役の氏名と住所
④取締役の氏名(社外の人であればそのことも書く)
⑤公告方法(官報・日刊新聞・電子公告、などどれにするか。)
⑥株式会社の設計機関
です。
期限の利益
期限の到来までは債務の履行をしなくても良いという利益のこと。
期限の利益は、返すはずのお金を返さなかった場合など、あらかじめ決めていた約束を守らない場合には失われることがある。
問題
新たな取引先と商品の売買取引を開始することに関連した下記の設問に答えよ。
設問1
新たに取引を開始するにあたり、商業登記簿謄本(登記事項証明書)で取引先の内容を把握することが重要である。
これによって把握できるものに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア)会社の資本金の額を閲覧し、資本金の大きさを確かめる。
イ)会社の本店及び支店の所在場所を閲覧し、実際の取引先の住所と一致しているかを確かめる。
ウ)会社の目的を閲覧し、実際の取引を行う事業が含まれているかを確かめる。
エ)会社の役員を閲覧し、代表取締役の氏名および学歴を確かめる。
設問2
取引先(買主)と新規に取引を開始するに先立ち、債権の保全・回収のための特約を定めた取引基本契約書を締結することが望まれる。
この契約書の特約条項のうち「期限の利益の喪失」条項を盛り込むことによって期待される効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア)取引先が代金を完済するまで納入品の所有権を売主のものとし、いつでも納入品の変換を要求できる。
イ)取引先に信用不安や経営危機などの一定の事由が発生した場合に、一方的に取引を終了させることができる。
ウ)取引先に代金の支払遅延などの一定の事由が発生した場合に、支払期日前でも支払期日の到来していないすべての売掛金について直ちに支払いを請求することができる。
エ)取引先の債権回収に不安が生じた場合に、納入品の引き渡し数量を制限したりストップすることができる。
正解
設問1)エ
設問2)ウ
解説
設問1
不適切なものを選択することに注意しましょう。
予備知識で説明している「登記しなければいけない内容」がわかっていれば回答できる問題です。
学歴は登記する必要がないと常識的に判断することもできそうなので、易しい問題です。
間違っている選択肢はエの「会社の役員を閲覧し、代表取締役の氏名および学歴を確かめる。」です。
設問2
期限の利益の意味がわかっていれば答えることができます。
期限の利益は、「返済は期日までにすれば良いですよ」
という借りる側と貸す側とのお約束です。
借りる側からすると「期日までは返さなくてもいい」というメリットがあることから
利益と表現されています。
貸す側が一番怖いのは返済されないことです。
契約違反などがあれば期限の利益の喪失となり、借りる側は期日が来る前に返済しなければなりません。
あらかじめ契約に盛り込んでおくことで、返済されないリスクを抑えたり、契約違反をしないように借りる側にプレッシャーを与えることができます。
ということで、ウの「取引先に代金の支払遅延などの一定の事由が発生した場合に、支払期日前でも支払期日の到来していないすべての売掛金について直ちに支払いを請求することができる。」が正解です。
ひとこと
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