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【中小企業診断士】経営法務 令和1年 第6問

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予備知識

公開会社

公開会社とは株式について、会社の承認を必要とせず、株主間で自由に譲渡・取得できると定款で定めている会社のことです。

証券市場に株式を公開していて、上場会社であると言うことができるんだ。
公開会社は取締役会の設置が義務付けられているよ。

非公開会社

非公開会社とは発行する株式について、定款で譲渡制限を定めている会社のことです。

株式を譲渡・取得する場合は会社の承認が必要となります。

譲渡制限会社とも言います。  

取締役設置会社

取締役会設置会社とは、取締役会を置く株式会社または会社法の定めにより取締役会を置かなければならない株式会社のことです。

取締役会設置会社とするかどうかは、定款の定めによって決めることができます。上場会社取締役会を設置することが法律で強制されています。

株主総会の招集

公開会社の株主総会は、取締役か、もしくは6ヵ月前から引き続き3%以上の議決権を持っている株主が招集することができます。

招集は株主総会の2週間前までに書面か電子メールなどで通知する必要があり、招集期間の短縮をすることはできません。

 

取締役会を設置している非公開会社の株主総会は、公開会社と同じく取締役か3%以上の議決権を持っている株主が招集することができます。(6ヵ月前という保有期間制限はなし)

招集は株主総会の1週間前までに書面か電子メールなどで行う必要があり、招集期間を短縮することはできません。

 

取締役会を設置していない非公開会社の株主総会も、公開会社や取締役会を設置している非公開会社と同じく、取締役か3%以上の議決権を持っている株主が招集することができます。(6ヵ月前の制限なし)

招集は株主総会の1週間前までに書面か電子メールなどもしくは、口頭で行うことができ、招集期間は定款で定めることで短縮することが可能です。

 

株主総会は株主全員の同意がある場合は、原則として招集の手続きを省略して株主総会を開くことができるよ。

問題

X株式会社(以下「X社」という。)は、取締役会及び監査役会を設置している会社(公開会社ではなく、かつ大会社ではない)である。

中小企業診断士であるあなたは、2019年1月に今年(2019年)の株主総会のスケジュール等について、X社の株主総会担当社の甲氏から相談を受けた。

以下の会話は、その相談の際のものである。

この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 

※本番ではこの文章がズラッと並んでいますが、本ブログではキャラクターを使った対話形式にしています。

※内容については本番のままです。

※左が甲氏で右があなたです! 

 

当社の事業年度は、4月1日から翌年3月31日までです。2019年は6月27日(木)に株主総会を開催したいと考えています。株主総会の招集通知はいつまでに発送すればよいですか。

御社では、株主総会に出席しない株主に、書面による議決権の行使や、電磁的方法による議決権の行使を認める制度を設けていますか。

いいえ。設けていません。

そうすると、御社は、取締役会を設置している会社ですが、公開会社ではありませんし、また、書面による議決権の行使や、電磁的方法による議決権の行使を認める制度を設けていないので、【A】までに招集通知を発送する必要があります。

分かりました。ところで、今回の株主総会でも、昨年と同様、3年前まで当社の取締役であった乙氏が、「自分を取締役に選任しろ」という議案を株主提案として提出してくると聞いています。どのような点に注意した方がよいでしょうか。

御社では、定款で株主提案に関する何らかの規定は設けていますか。

いいえ。定款では特に規定は設けていません。

【B】

設問1

会話の中の空欄Aに入る記述として、最も適切なものはどれか。

ア)株主総会の日の1週間前

イ)株主総会の日の2週間前

ウ)原則として株主総会の日の1週間前ですが、定款で1週間を下回る期間を定めた場合にはその期間の前

エ)原則として株主総会の日の2週間前ですが、定款で2週間を下回る期間を定めた場合にはその期間の前

設問2

会話の中の空欄Bに入る記述として、最も適切なものはどれか。

ア)

御社の場合、株主が、株主提案について、議案の要領を株主に通知することを求めるには、株主総会の日の6週間前までに請求することが必要です。

このため、乙氏が株主提案をしてきた場合は、この要件を満たしているのかを確認してください。

イ)

御社の場合、株主が、株主提案について、議案の要領を株主に通知することを求めるには、株主の議決権の100分の3以上の議決権又は300個以上の議決権を、6ヵ月前から引き続き有していることが要件となります。

このため、乙氏が株主提案をしてきた場合は、この要件を満たしているかを確認してください。

ウ)

株主の提案する議案が、実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、会社は、その株主提案を拒絶することができます。

乙氏は、昨年の株主総会でも同様の株主提案をしてきたとのことですので、乙氏が株主提案をしてきた場合は、まず昨年の賛否の状況を確認してください。

エ)

株主の提案する議案が、法令や定款に違反する議案の場合であっても、株主提案は、株主の基本的な権利ですので、議案の要領を株主に通知する必要があります。

このため乙氏が株主提案をしてきた場合は、その提案が法令に違反するものであっても、必ず、議案の要領を株主に通知してください。

正解

設問1)

設問2)

解説

設問1

株式譲渡制限会社の取締役設置会社であれば、株主総会の日の1週間前までに招集通知を発送する必要があるため、が正解です。

設問2

ア.

御社の場合、株主が、株主提案について、議案の要領を株主に通知することを求めるには、株主総会の日の6週間前までに請求することが必要です。

このため、乙氏が株主提案をしてきた場合は、この要件を満たしているのかを確認してください。


→6週間前ではなく8週間前までに請求することが必要なため誤りです。

イ.

御社の場合、株主が、株主提案について、議案の要領を株主に通知することを求めるには、株主の議決権の100分の3以上の議決権又は300個以上の議決権を、6ヵ月前から引き続き有していることが要件となります。

このため、乙氏が株主提案をしてきた場合は、この要件を満たしているかを確認してください。


→100分の3以上ではなく100 分の1以上の議決権を有していることが要件となるため誤りです。

ウ.

株主の提案する議案が、実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、会社は、その株主提案を拒絶することができます。

乙氏は、昨年の株主総会でも同様の株主提案をしてきたとのことですので、乙氏が株主提案をしてきた場合は、まず昨年の賛否の状況を確認してください。

 
→正しい。

エ.

株主の提案する議案が、法令や定款に違反する議案の場合であっても、株主提案は、株主の基本的な権利ですので、議案の要領を株主に通知する必要があります。

このため乙氏が株主提案をしてきた場合は、その提案が法令に違反するものであっても、必ず、議案の要領を株主に通知してください。


→株主の提案する議案が、法令や定款に違反する議案の場合であってはならないため誤りです。

ひとこと

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