「人は変えられない、自分が変わるべし!」
そんな言葉をよく聞きます。
確かに、人を無理に変えるよりも、自分の考え方や行動を変えた方が早いなーと思うことたくさんあります。
だけど、どうしても相手にしてもらわなきゃいけないことってあるんですよね。
「どうしても返送してもらわないといけない」や、「どうしても使ってもらわなければいけない」など。
そんな時に相手の環境を変えるという方法があります。
具体的にどのように変えるのか?
こちらのTEDのスピーチで、とても分かりやすく説明していました。
ここでは、相手の行動を変えるため、宇宙ロケットにたとえて考えています。
すべきことは大きく2つあり、第一に抵抗を減らすこと。空力学的に可能な限り 抵抗を小さくする。第二に可能な限り多くの燃料を入れタスクを行うモチベーションや、エネルギーを大きくすることだそうです。
第二のモチベーションについては、何となく想像できると思うのですが、私にとって新しかったのは、抵抗を減らすことでした。
例えば、薬のネット販売をしている会社が、定期購入している患者さんに対して、ブランド薬からジェネリック薬に交換してもらいたいと思っています。
そこで、手紙を出して、「ジェネリックに変えるとこんなにお得なので、是非変更してください!」と伝えるのですが、全く効果がありませんでした。
「ジェネリックに変えると、1年間無料にします!」というキャンペーンをしても、ほとんど効果がありません。
何が問題だったのか・・・?
実は、「ブランド薬で始めたら何もしなければ、ブランド薬のままです。
ジェネリック薬にするとなると、ブランド薬に対してジェネリック薬を選ぶだけでなく、手紙に返信するという手間がかかったのです」
つまり、「ブランド薬 VS ジェネリック薬」という問題に加え「何もしない VS 何かする」という 交絡の状態でした。
それでは2つを入れ替えて、ジェネリック薬を何もしない状態、「つまり返信しなければ自動的にジェネリックに切り替えます」としました。
どうなったと思いますか?
弁護士が出てきたそうです。(笑)
これは違法であったようですが、最終的には「返信いただけなければ薬の提供を止めねばなりません。返信いただければ、この値段のブランド薬かこの値段のジェネリック薬かを、お選びいただけます」という方法で、ほとんどの人がジェネリック薬に切り替えました。
「何もしない VS 何かする」がなくなったわけですね。
このように「何が抵抗になっているのか?」を分析し環境を変えることで、結果が大きく変わりました。
この考え方は、以前記事でも紹介した、「仕掛学」にも似ていると感じております。
部屋が中々片付かない、朝起きれない、報告連絡がない、色んな問題がある中で、「行動に移せず抵抗になっている部分はどこか??」を探してみること。
探すべき点は相手の粗ではありませんでした(;^ω^)
もし、相手に行動を変えてほしいという場面で参考になれば幸いです。