今回は、運営管理の中でも生産形態・生産方式に関する過去問を取り上げます。生産形態の注文と生産のタイミングの観点では、「受注生産」「見込生産」があり、平成27年 第2問では「見込生産」について出題されました。
本記事では、予備知識と問題・解説を紹介しています。
予備知識
見込生産とは
受注生産は注文を受けてから生産を開始する生産方式で、見込生産は注文を受ける前に製品を生産しておく生産方法です。
事前に生産しておいた製品を在庫として保有し、顧客からの注文に応じて製品を販売します。
注文住宅や、印刷関係は受注生産、自動車や家電、食品は見込生産にすることが多いんだ。見込生産は企業が決めた同一仕様の製品を大量に生産するよ。
見込生産を成功させるために
見込生産は、先に販売数量を予測・製造し、その後に販売するため「過剰在庫」「機会ロスのリスク」を抱えています。
それを回避するため、①需要予測の精度向上 ②需要に応じた柔軟な生産体制の確保が重要です。
特に、①需要予測に応じて柔軟に生産計画を変更する②デカップリングポイントを設定する、という方法があります。
デカップリングポイントについて聞きなじみがないかもしれませんが、中間製品の在庫を置くポイントを設定することです。
例えば様々な色違いの製品を生産している企業で、色を塗る前の製品を在庫として保有しておき、それぞれの色の製品の売れ行きの状況を見ながらどの色をどれだけ塗るかを決める、という方法です。
デカップリングポイントを設定することで、需要の変動に柔軟に対応したり、最終製品の在庫を必要以上に持つことにより発生する過剰在庫を減少できるよ!また、中間在庫からの生産になるため、納品リードタイムが短縮できるんだ。
問題
見込生産の特徴に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記回答群から選べ。
a.多品種少量生産である
b.需要変動はなるべく製品在庫で吸収する
c.営業情報やマーケットリサーチ情報に基づき需要予測を行い、生産量を決定する
d.納期をどれだけ守れるかが生産管理のポイントとなる
回答群
ア aとc
イ aとb
ウ bとc
エ bとd
正解
ウ
解説
各回答群を見ていきましょう。受注生産と見込生産それぞれを理解できているかがポイントになります◎
a.多品種少量生産である
→受注生産の特徴です。受注してから生産を始めるため、多品種少量になることが分かります。オーダーメイドのイメージですね(^^)
b.需要変動はなるべく製品在庫で吸収する
→見込生産の特徴です。事前に生産するからこそ、在庫で吸収することができます。
c.営業情報やマーケットリサーチ情報に基づき需要予測を行い、生産量を決定する
→見込生産の特徴です。事前に生産するからこそ、過剰在庫や機会ロスを避けるため、需要予測が重要になってきます。
d.納期をどれだけ守れるかが生産管理のポイントとなる
→受注生産の特徴です。見込生産は在庫でカバーできますが、受注生産ではオーダーを受けてから生産を始めるため、納期の順守が重要項目になります。
以上の点から、ウが正解です。
ひとこと
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